テキストサイズ

ぼっち─選択はあなたに─

第21章 救出作戦【選択6】

 レシピェールがキョロキョロ辺りを見渡すと、一番隅の目立たない席でひっそり座っているユズリノを見つけた。

「なんでこんなところにいるのよ」
「……」

 この世の終わりみたいな顔をして項垂れるユズリノを見て、レシピェールはため息をつく。

「まだ気にしてるの? 呪いをかけたこと」
「……」
「メキユちゃんなら、許してくれるわよ」
「……」
「んもう、仕方ないわねぇ」

 レシピェールはユズリノの腕を掴むと、強引にメキユのもとまで連れて行こうとした。

「待って、離してっ……」

 しかしレシピェールの力には敵わない。

「だめなの、私っ……メキユに合わせる顔がっ……」
「ユズリノ!」

 メキユがユズリノのそばに駆け寄ってきた。

「メキユ……」
「ユズリノ、おら全然怒ってないべ!」
「!」
「むしろ感謝してるだべ。あの呪いがなければ、おらずっと弱虫のままだった!」
「……でも一歩間違えればメキユは死んでいたかもしれないのよ。それにメキユが取り込んだ呪いの力……もしかしたらあなたも父親のように支配されるかもしれないのよ」

 ユズリノがそこまで言うと、レシピェールはプハッと笑った。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ