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ぼっち─選択はあなたに─

第21章 救出作戦【選択6】

「ダンスならあたし得意よぉ~」

 酔っ払ったアバレセーラーがステージに乱入して、艶かしく踊り出す。

「ま゜」
「いえぇい~」
「ウイーン」

 更にミトナツコと介添人のタキシゲール、セグウェイ水戸も乱入してきた。

「わわっ、もうなんやねん、君ら~」

 狭いステージの端っこへと追いやられたゲンブとウラユは、サチのいるテーブルへと避難した。

「ゲンブ、ウラユ、おつかれさま」
「おつかれさま~」

 三人はエールの入った木製ジョッキで乾杯した。

「はあ~~生き返るぅ~。私やっぱ気楽に漫才やってる方がいいわ~。バトルトーナメント中はハラハラして手に汗握っちゃったもん」
「すごかったよな、みんな命懸けで戦って」
「……そういえば、あの子どうなったんだろ」
「あの子?」
「ヒカルって子」
「まあ、勝負に負けたから、ザッハ伯爵のメイドになったんちゃうか」
「……助けなきゃ」
「え?」
「なんか今……助けて!って声が聴こえたの!」
「ええっ!?」

 ウラユが酒場の外に出ると、ちょうど討伐隊の男たちが集まっていた。

「君、もうすぐ日が暮れるから外に出ないようにな」
「あ……」

 ウラユはオレンジ色に染まった空を仰いだ。
 日が暮れればシャドーが出現することを思い出す。


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