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ぼっち─選択はあなたに─

第21章 救出作戦【選択6】

「あら、大変。じゃあ急いで宿屋に行きましょ」

 ウラユは背後からサチに話しかけられた。

「あれ? 二階の宿屋に泊まらないの?」
「ここより安い宿を見つけたのよ。地方営業もお金がかかるから」

 三人は早々に別の宿屋に移動した。

「いらっしゃいま……」
「あれ!?」

 宿屋のドアを開けると、どこかで見たことがある顔に三人は驚く。

「あなた、昼間漫才に挑戦してたレイナじゃない?」
「ええ、あなたたちはゲンブさんとウラユさんとサチさん……だったかしら?」
「偶然、こんなところで出会うなんて」

 サチはレイナたちをスカウトし損ねたので、目を輝かせた。

「あの、スカウトの話だったらお断り……」
「今日は宿屋に泊まりにきたの」
「そうでしたか……では二階の部屋をお使いください」

 どことなく元気がないレイナの姿に、ウラユは首を傾げる。

(そういえばレイナの相方の名前ってなんだっけ……)

「あの……ヒカルを見かけませんでしたか?」
「!!」

 その名前を聞いて、全てが繋がる。

「ヒカル……ヒカルって、ザッハ伯爵の賭けに負けてメイドになってしまったヒカル!?」
「どうしてそれをっ……」
「私たちもバトルトーナメントを観戦してたの!そしたら隣に討伐隊の人たちがいて、ザッハ伯爵はメイドたちに良からぬ行為をしてるって聞いてっ……」


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