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ぼっち─選択はあなたに─

第22章 闘技場

「ふっ……面白い。反逆者となったお前に果たしてそれができるのか、とくと見せてもらおうじゃないか」

 ザッハ伯爵がニヤリと笑うと、周りの火が突然消えた。ザッハ伯爵の姿も兵士たちの姿も暗闇に隠れる。

「!」

 少し経ってから耳を澄ますと、あちこちからズル、ズルッと何か引きずるような音が聞こえてきた。
 クロードは身構える。

「……ひぃぃぃぃ! 来るなっ……来るなぁ! やめろぉぉぉぉ!」

 その時、背後で兵士の叫び声がした。
 クロードは助けようとするが、何も見えない闇の中では無闇に動けない。そのうちズルッ、ベチャッと嫌な音が聞こえ、兵士の声は聞こえなくなった。

「……っ……」

 クロードは意識を集中し周りの気配を感じとる。
 恐らく周りにはシャドーがいる。そしてさっきの兵士はシャドーに食べられてしまった。

「ひぃぃぃぃ! 助けっ……助けてくれぇぇぇ!」
「がはっ……ゴボボボボッ!」

 続けて他の兵士たちもシャドーに襲われる。
 一体何体いるのか……光または火がなければ、このまま自分もシャドーに食べられてしまうのは時間の問題だ。

「くっ……」

 そうなるわけにはいかない。
 ヒカルやナツミを助けるまでは自分は死ぬことはできない。


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