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ぼっち─選択はあなたに─

第7章 ソルトの町(2回目)【選択4】

 ヒカルは青々と広がる草原の景色を見渡した。心地よい風がヒカルの肩までの黒髪を揺らす。

(そっか……私、事故で死んでこの異世界に転生したんだっけ、"ヒカル"として──)

 ヒカルはクロードの顔をチラッと見た。
 銀髪に白い肌、青い瞳に端正な顔……まさにその姿は乙女ゲームに出てくるようなイケメンだ。
 バットも悪くないが、どうしてもクロードに目がいってしまう。

(……なんだろう、海で助けてもらったはずなのに、今初めて会った気がする。クロードの青い瞳、すごく綺麗だった。銀髪ってのも珍しいよね、バットは茶髪なのに。さっきはびっくりしたけど、こんな異世界でこんなイケメンに出会えるなんて……)

「私って運がいい!」
「ん?」
「あっ、なんでもないっ……」

(やばいやばい。考え事するといつのまにか独り言を呟いてしまう癖は直さなきゃ!)

 少し歩くと、ソルトの町が見えてきた。
 大きな門をくぐり抜けると、そこは中世のヨーロッパ風の町並みが広がっていた。
 出店も出て、町は沢山の人で賑わっている。

「すご~い!」

 海外に行ったことがないヒカルは、あっちこっちの建物を見てはキラキラと目を輝かせていた。

「クロード! バット!」

 その時、ひとりの女性が人々の合間をぬって、こっちに走ってきた。

「良かった、無事でっ……おかえりなさい!」
「レイナ」
「おう、レイナ、ただいま」

 クロードとバットがレイナと親しげに話している。ヒカルはレイナを見て、なんとなくモヤッとしたものを感じた。


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