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ぼっち─選択はあなたに─

第28章 魂の世界

 ロイドはツキカゲソウを見つけると、アクアの前で片膝をつきながらそれを差し出した。

『オレと結婚してください』

 プロポーズするロイドに、アクアは涙を流しながら受け止める。
 二人は見つめ合うと、誓いのキスをした。

『やっと……やっと一緒になれたね』

 アクアの想いが流れこんできて、ヒカルは涙が止まらなかった。

「アクアさんっ………」

 二人一緒に天へと昇っていく姿を見て、ヒカルは心から安堵した。

「お幸せに……」

 そう呟いた瞬間、ヒカルは意識を失った。

「ヒカル様っ!」

 遠くの方でヤクモの声が聞こえるが、ヒカルの耳にはすでに届かなかった。





 どれくらいたっただろう。
 目を覚ますと、そこには白い壁があった。小屋の中ではないことはすぐにわかった。部屋の中には自分が寝ていたベッドと扉しかなかった。

「……」

 ヒカルはベッドから起き上がると、恐る恐る扉を開けた。

「!」

 優しい風がサアッと自分の体を包みこむ。
 懐かしい匂いがする。
 そこは何処かで見たような部屋だった。キッチンと木造のテーブルと椅子。そしてテーブルの上には金平糖が散らばっていた。

(金平糖……どうして……)

「あら、起きたのね」

 いつの間にかキッチンに女性が立っていた。

「おはよう、ヒカリ」

 しかし何か違和感を感じる。


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