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ぼっち─選択はあなたに─

第8章 カボチャ祭り

 一階に下りると、大小様々な大きさのカボチャがカウンターに沢山置かれてあるのが目に入った。それらは目と鼻と口がくり抜かれていて、ジャックオーランタンに似ている。

「ヒカル、座って」

 レイナはヒカルをテーブルに案内すると、テーブルの上にカボチャスープが入った皿とパンを置いた。

「ありがとう、レイナ。いただきます」

 一口すすると、あまりの美味しさにスプーンを口に運ぶ手が止まらなくなった。少し固いパンを食いちぎって、更にスープに浸す。これがたまらなく美味しくて、ヒカルは三杯もおかわりをしてしまった。

「ふう~、美味しかったぁ」

 大満足でお腹をさすっていると、レイナにクスクスと笑われた。

「もうヒカルってば、ほんと子供みたい。今日からカボチャの収穫祭だから、魔女の格好して歩けば、きっとカボチャのお菓子をもらえるわよ」
「……魔女!?」

 突然出た「魔女」という言葉に、ヒカルは思わずギヨッとする。

「毎年この時期にね、ソルトの町ではカボチャの収穫祭をするのよ。子供たちは魔女の格好をして、民家やお店に行ってカボチャのお菓子をお裾分けしてもらうの。広場でイベントもやってるのよ」

 話を聞いているとそれはハロウィンのイベントとそっくりだった。
 ヒカルはホッと胸を撫で下ろす。

「やだ、ヒカルってば。魔女なんておとぎ話にしか出てこないわよ。それにお祭りは夜はやらないから安心して。あと普段よりは明かりも多くなるからシャドーは入ってこれないかもね。まあ、警戒はするけど」


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