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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第6章 新しい世界、新しい生活。

ん~。ストレートに「メイク教えて」って送る?
いやいや、何の脈絡もなくいきなり「メイク教えて」は、さすがにいきなり過ぎるよね…。

「会いたい」って送ってアポとって、会った時にお願いしようか…。もう塾で会うことは無いし…。

ら、ランチに誘う?じゃなくて、お茶に誘う?

え、ちょっと待って。これじゃまるで、私がサキちゃんに恋してるみたいじゃない??

違うな~。違うんだよね~。

ダメだ、合格のうれしさで脳がバグってるのかなー。

スマホを持ったままウロウロしてると、当のサキちゃんからLINEが入った。

「やっほ~!第一志望、受かったよ~!(*'▽')」

合格報告!あー、その手があったか!!

…なんだ、『その手』って。その手しか無いじゃん。やっぱり今日の私、バグってるわ。

「おめでと~。あたしも受かった(^◇^) これでお互い、晴れて女子大生だね!」

「ねー♪(*'ω'*)」

それから他愛のないやり取りをしばらくした後、メイクのやり方を教えてほしいとお願いしたら、一緒にメイクグッズの買い物に行くことになった。そして、ドラッグストアで一式買った後、私の家に来てもらって、教えてもらいながらメイクの練習をすることにした。

そうだ、樹…。樹って、多分、サキちゃんのことが好きだよね。サキちゃんうちに遊びに来るよ、って教えてあげたら喜ぶかな?

窓を開けて隣家の玄関先を見る。樹のチャリは見当たらない。

…チャリが無いってことは、外出中かぁ。

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