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僕は貴女を「お姉ちゃん」だと思ったことは一度もない。

第13章 初詣、再び。

「6歳の年の差ってさ。0歳の、生まれたばっかりの赤ちゃんと6歳の小学1年生の子を比べると、すごい差じゃん?でも、60歳と66歳だとそんなに印象違わないでしょ?」

「え?うん、まあ…そうかもね」

「つまり、年齢を重ねれば重ねるほど、その差は縮むんだよ。あと6年経って、俺が、高校卒業したらさ、また鈴姉に告白してもいい?」

「別にいいけど、その時に、私がOKするかどうかはわかんないよ?」

ちょっとだけ意地悪を言ってみる。

「そうだね。それに、あと6年の間に、僕が別の女の子を好きになってるかもしれないしね」

意地悪には意地悪で返される。

「樹、やっぱりあんたは、私の『弟的存在』だよ!実際の弟じゃないのは、もちろんわかってるけど。出会い方や出会った時期が違えばまた何かが違ったかもしれないけど…」

「過去は、変えられない? でも、未来はこれから創れるんだよ。どんな未来でも、自分の思い通りだから。6年後、僕は今よりずっと大人になってるよ」

「わかった。楽しみに待ってるね」

二人で会話をしながら、ゆっくり歩いて帰った。もうすぐ、家につく。

今は、ただの「お隣に住んでる年下の男の子」。
でも、未来は、これから新しく作れるし、何か変わるのかもしれない。

ー第二部 鈴編 完ー


【完】


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