新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第7章 死神
狛犬「いってぇ…結構深くやられちゃったな…」
聖輝「ごめ…なさい…僕のせいで…!!」
狛犬「いいよいいよ!涼野くん悪くないもん!」
二宮「…はい、これでよし。」
狛犬「ありがとう、ニノ。」
聖輝「狛犬さん……」
二宮「ところで、何で死神を探してたの?」
聖輝「あの…北島先生に頼まれて…」
狛犬「えっ?タジーに?」
聖輝「はい…あの…死神…錦戸さんを…元の姿に戻してほしいって…」
二宮「はぁ?元の姿?」
聖輝「はい…何か…入学してからは普通の生徒さんだったらしいんですけど…ある日突然変わったって…」
狛犬「あぁ〜確か去年の9月くらいだったよね?死神の名前が定着しだしたのって。」
二宮「あぁ…突然のことだったから周りは気が動転してたね。」
聖輝「去年の9月…死神になったのにも何か理由があるのかもしれません…」
二宮「なに?もしかして死神を説得する気?」
聖輝「はっはい…」
二宮「ハァ…あのね…お前ついさっき殺されそうになったんだぞ?命欲しかったらもうあいつに関わらない方がいい。」
狛犬「そうだよ…今回はたまたま俺がそばにいたから守れたけど…もし誰もいないところであいつと2人きりになったら…殺されるかもしれないんだよ…?」
聖輝「でっでも…錦戸さんも…もしかしたら悩んでるのかもしれませんし…」
二宮「はっ、どこまでお人好しなんだよ。」
狛犬「涼野くん…俺…涼野くんがケガすんの見たくないよ…」
聖輝「狛犬さん……」
狛犬「だから…お願い…もうこんな危ないことに首突っ込まないで……」
聖輝「……。」
狛犬さん…泣きそうな顔してる…
きっと…僕のことを考えて…そう言ってくれてるんだろう…
二宮「この人の言う通りにしときな。」
聖輝「…分かりました…」
狛犬「ありがとう…」
確かに…死神を説得するのは無謀かもしれない…
僕はそう思った。