新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第8章 桜蘭
聖輝「えっと…二宮さんは……」
「何してんの?」
聖輝「ひゃあっ?!」
二宮「ははっ、ひゃあって何だよ!」
聖輝「ちょっと…後ろから急に話しかけないでくださいよ!」
二宮「後ろからって…お前がそこにいたんだろ?」
聖輝「あっ…すっすいません…」
二宮「で?俺に何の用?」
聖輝「あっそうだ、あの…狛犬さんの様子はどうですか?」
二宮「あぁ、昨日病院行ったらいつも通りピンピンしてたよ。」
聖輝「そうですか、良かった…」
二宮「何よ、まさかわざわざそれ聞きに来たの?」
聖輝「だって…狛犬さんの事心配だから…」
そもそも僕のせいで入院してるし…
二宮「心配しなくても大丈夫、あの人簡単に死なないから。」
聖輝「でも…」
二宮「お前も時間ある時に顔出しに行ってやりな、バカみたいにはしゃぐから。」
聖輝「…はい…」
二宮「…ん?」
聖輝「なっ何ですか?」
二宮「お前…甘い匂いするな。」
聖輝「えっ?甘い匂い?」
服の匂いを嗅いでみると、イチゴのような甘い匂いがした。
聖輝「本当だ…いつの間に…」
二宮「お前香水つけてたっけ?」
聖輝「いやっ…香水は……あっ!」
二宮「なに?」
聖輝「さっき知らない人と…抱き合った時に付いたんだと思う…」
二宮「はぁ?抱き合った?!」
聖輝「だっ抱き合ったというか…あの…相手の人がふらっと倒れかかったのでそれを支えてて…」
二宮「そういうことかよ…」
聖輝「その時にこの匂いが付いたんだと思います。」
二宮「ふーん…」
キーンコーンカーンコーン
聖輝「あっチャイムだ!また来ますね!」
二宮「はいよ。」
僕は急いで教室に戻った。