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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第8章 桜蘭



聖輝「……。」


あの2人…お似合いだったな…


抱き合ってたし…


あんな甘い雰囲気の中に僕が入る訳にはいかないよ…


聖輝「……。」


あれ…何で…


何で涙が出てくるの…?


どうして…涙が…止まらないの…?


聖輝「ぐすっ……」


僕は近くのベンチに座ってしばらく一人で静かに涙を流していた。


僕を守ってくれていた人が…急に取られた気がした…


聖輝「……。」


…あっ…もう18時だ…


聖輝「そろそろ帰らないと……」


「ねぇきみ。」


聖輝「えっ…?」


顔を上げるとサラリーマンの人がいた。


「どうしたの?目真っ赤に腫れてるけど…」


聖輝「あっ…」


「大丈夫?」


聖輝「あっだっ大丈夫です!何でもないです…」


やだ…泣いてるところ見られちゃった…


僕はその場から離れようとした…


ガシッ!


聖輝「えっ…?」


「大丈夫じゃないでしょ?そんなに顔ぐちゃぐちゃにして…」


聖輝「でっでも…僕本当に…」


「ねぇ、これからお兄さんと遊ばない?」


聖輝「えっ?いやっ…」


「大丈夫、そこに行けば悲しいことも忘れられるから。」


聖輝「でっでも…僕…帰らないと…」


「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから。ね?」


聖輝「やっやぁ…!」


僕は半ば強引にサラリーマンの人に手を引かれ、何処かに連れていかれた。

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