新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第8章 桜蘭
聖輝「えっ…?!」
松本「それだけじゃない。あいつは狙った獲物には必ず甘い匂いを付けるんだ。」
聖輝「甘い匂いって…もしかして…」
狛犬「多分…それ…」
聖輝「えっ?!ぼっ僕狙われてるんですか?!」
二宮「おそらく。」
聖輝「そっそんな…!!」
松本「それに、厄介なのはあいつの嫉妬深さだ。」
聖輝「嫉妬深さ…?」
松本「ちょっとでも獲物に気に入られてる奴や獲物のことを気にかけてる奴は…潰す。」
聖輝「えっ…?!」
狛犬「実際何人かマジで殺られたよね…」
二宮「うん、殺られてたね。」
聖輝「そんな……」
松本「お前の身の回りであいつと関わった奴っているか?」
聖輝「関わった…あっ…そういえばこの間…バイト先に安田さんが来ました…」
二宮「バイト先…」
聖輝「僕の叔父さんがお店してるところなんですけど…安田さんが来てから従兄弟の春樹くんの様子がちょっとおかしかった気がします…」
松本「まずいな…もしかしたら殺られる可能性があるな…」
聖輝「えっ?!」
二宮「ターゲットになった奴の身辺を徹底的に調べあげては排除する…それが安田だ。」
狛犬「じゃあ…春樹くんって子の身が危ないじゃん!!」
聖輝「どっどうしよう!!春樹くんにもしものことがあったら僕…!!」
二宮「落ち着けよ!まだ襲われると決まった訳じゃねぇだろ。」
松本「いや、あいつ手が早いらしくてな…ヤバいかもな。」
聖輝「どっどうしよう!!早く春樹くんを助けに行かなきゃ!!」
狛犬「うん!俺も行く!!」
二宮「はぁ?!あんたはおとなしくしてなきゃダメだろ?!」
狛犬「でもでも!!涼野くんの従兄弟のお兄さんがピンチなんだよ?!行かなきゃ!!」
松本「分かった…俺が代わりに行くわ。」
狛犬「松潤…!?」
二宮「…俺も行きますか?」
松本「いや、ここにいてくれ。もしかしたら雅紀のところにも来るかもしれない。」
二宮「分かりました。」
聖輝「松本さん…」
松本「もたもたしてる暇はねぇな…行くぞ!」
聖輝「はっはい!」
狛犬「お願いね!松潤!」
二宮「気をつけて。」
僕は松本さんと一緒に春樹くんの元へ急いだ。