新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第11章 武田信玄
聖輝「ケホッ…ケホッ…ひどいホコリ…」
廊下はホコリが充満しており、人が通った気配がまるでなかった。
聖輝「ケホッ…ここで合ってるのかな…」
僕は不安と恐怖の中、一歩ずつ進んでいく。
すると、目の前には如何にも古そうなドアがあった。
聖輝「開かずの扉……」
もしかしたらここに……
ガチャンッ
聖輝「?!」
扉の鍵が開いた音が聞こえた。
聖輝「……よっよし……」
僕は恐る恐る目の前にあるドアを開けた。
ガラガラ…
聖輝「しっ…失礼します……」
部屋に入ると、辺りが真っ暗で何も見えなかった。
聖輝「あっ…あの…すいません……」
声をかけるも物音一つ聞こえなかった。
聖輝「あっ…あの…すいません…!」
再び声をかけるも何も起こらなかった。
聖輝「…違う部屋なのかな…」
『疾きこと風の如く…』
聖輝「?!」
『徐かなること林の如し…』
聖輝「…っ……」
『侵掠すること火の如く…動かざること山の如し……』
パチッ
聖輝「ひゃあ?!」
突然部屋が灯りに包まれた。
「我が隠れ家によく来たな…涼野聖輝……」
目の前に鎧を来た男が立っていた。