新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第13章 忠義くん
聖輝「…ありがとうございます……」
忠義「…聖輝くん…」
聖輝「はい…」
忠義「もし良かったら…家族の話聞かせてくれへんかな?」
聖輝「えっ…?」
忠義「聖輝くんの両親がどんな人なのか…聞きたい。」
聖輝「僕の…両親…?」
忠義「ごめん、辛いことさせるって分かってるねんけど…昨日初めて聖輝くんと会って…聖輝くんのことをもっと知りたいって思ってん…」
忠義「もちろん、嫌やったら全然断ってくれても大丈夫やから。」
聖輝「忠義くん…」
正直家族の話はしたくない…
思い出せば思い出すほど悲しくなるから…
でも…何でだろう…
忠義くんの前だったら…
気持ちがしんどくない……
忠義「ごめん、やっぱりこの話やめよっか!じゃあね…聖輝くんの」
聖輝「あの、忠義くん…」
忠義「えっ?」
聖輝「僕の両親の話…聞いてくれますか…?」
忠義「えっでも…」
聖輝「両親を事故で亡くしてから…人に家族の話をするのが怖かったのですが…」
聖輝「でも…忠義くんにだったら…話せる気がして…」
忠義「聖輝くん…ええの…?」
聖輝「はい……」
忠義「……分かった…話…聞かせて?」
聖輝「…はい……」
僕は忠義くんに両親の話をした。
無口で真面目だけど家族のことを一番に考えてくれる父親の話…
優しくて穏やかで家族を一番に愛してくれる母親の話…
本当は辛いはずなのに…
いつの間にか僕は微笑みながら話していた。