新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第16章 豪鬼
帰り道。
聖輝「今日はバイトなしか…」
特に出かける用事もないから、まっすぐ家に帰ろうかな…
聖輝「今日の晩ご飯は豚の生姜焼きにしようかな。」
「お前、豚が好きやねんな。」
聖輝「えっ?」
声がした方へ顔を向けると村上さんがいた。
聖輝「村上さん!」
村上「昨日はカツ丼、今日は豚の生姜焼きか。」
聖輝「きっ聞いてたんですか?!」
村上「大きな独り言やったからな。」
聖輝「なっ?!」
はっ恥ずかしい…!!
僕の中では小声のつもりだったのに…
村上「まぁ、メシの話はどうでもええねん。お前に聞きたいことがある。」
聖輝「聞きたいこと…」
何だろう…
村上「お前、ケルベロスに興味あるんか?」
聖輝「えっ?」
村上「昨日俺にケルベロスのこと聞きよったからな…どうなんや?」
聖輝「いっいや…興味あるというか……」
単純に怖い…
そして、あの人に似過ぎている…
だからこそ気になってしまう…
村上「お前、もしかしててっぺん狩りやるんか?」
聖輝「えっ?」
村上「さが高伝統のてっぺん狩り。」
聖輝「いっいやいや!やりませんよ!!」
村上「そうか…」
てっぺん狩りなんて…恐ろしい…
村上「西園寺翔。」
聖輝「えっ?」
村上「学年違ってあいつの本名知ってるんは珍しい。」
聖輝「そっそうなんですか?」
村上「あいつは自分の名前が嫌いやからな。」
聖輝「嫌い…?」
村上「あいつに会ったら名前で呼んでみ、おもろい反応するから。」
聖輝「面白い反応…?」
村上「ほな。」
聖輝「あっちょっ…!」
そういうと、村上さんは去ってしまった。
聖輝「…何だったんだろう……」
少し気持ちが引っかかりつつも、僕は家に帰った。