新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第16章 豪鬼
次の日。
僕は今、生徒会室前にいる。
昨日村上さんに言われた事が気になってケルベロスに会いに来た…
そんな訳なくて…
何故か他のクラスの球技大会の資料を僕に押し付けられて、泣く泣くここにやってきてしまった。
聖輝「ハァ…何で僕がこんなことを……」
ケルベロス…いなかったらいいなぁ…
聖輝「……。」
コンコンコンッ
ガラガラ…
聖輝「しっ…失礼します…」
僕は生徒会室に入った。
聖輝「…あれ…?」
誰もいない…?
教室を見渡すと、ケルベロスの姿はなかった。
聖輝「…よっよし…さっさと資料置いて出よう…」
僕は机の上に資料を置いて、逃げるように生徒会室を出た。
ガラガラ…
聖輝「ふぅ……って、わぁっ??!」
ドアを開けた瞬間、目の前にケルベロスが立っていた。
ケル「……。」
聖輝「あっ…あの……」
ケル「……。」
ケルベロスは僕に見向きもせずにソファに座り込んだ。
聖輝「……。」
村上『あいつに会ったら名前で呼んでみ、おもろい反応するから。』
聖輝「西園寺翔……」
僕は無意識に名前を呟いていた。
ケル「…っ…!!」
ガンッ!!
聖輝「ひぃっ??!」
ケル「お前…今…何て言った…??!」
聖輝「なっ…ななっ…何のことでしょうか…?」
ケル「今…俺の名前…呼んだだろ…??!」
聖輝「なっ名前……」
村上さんの言葉を思い出していたら無意識に出ちゃったんだ…
ガンッ!!
聖輝「っ…!!!」
ケル「今後二度とその名前で呼ぶな…!!」
聖輝「…っ……」
ケル「…分かったらさっさと消えろ。」
聖輝「……すか…」
ケル「は?」