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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第16章 豪鬼



聖輝「どっ…どうして…自分の名前が…嫌いなんですか…?」


ガシッ!!


ケル「お前…殺されたいのか?」


聖輝「…っ…!!」


怖い…怖すぎる…!!


静かにして…


お願いだから黙ってて、僕の口…!!


聖輝「…どうして…自分の名前を嫌うのか…僕にはまったく分かりません…」


僕は何故か、怯えつつも思っている事とは違う言葉をペラペラとしゃべっていた。


聖輝「名前で…いじめられたのなら…理解できますけど……」


ケル「……。」


くっ苦しい…


胸ぐら掴んでいる手が強くなってきている…


ケル「…あいつから聞いたのか…?」


聖輝「えっ…?」


パッ


聖輝「ゲホッ…ゲホッ…」


ケル「村上信五…あいつから何か聞いたのか?」


聖輝「ゲホッ…ゲホッ…いっいえ…特には…」


ケル「……。」


聖輝「ゲホッ…ゲホッ…」


ケル「お前にひとつ忠告しておく。」


聖輝「なっ…何ですか…?」


まさか…殺害予告…??!


ケル「村上信五には近づくな。」


聖輝「えっ…?」


ケル「あいつに何言われたか知らないが、あいつはお前が思っている以上にいい奴じゃない。」


ケル「死にたくなかったらあいつと関わるな。」


聖輝「死にたくなかったら…」


どういうことだろう…


ケル「用がないならさっさと消えろ、目障りだ。」


聖輝「あっあの…西園寺さ」


ケル「その名前で呼ぶんじゃねぇ!!」


聖輝「ひっひぃ??!」


ケル「チッ…!!」


聖輝「しっ…失礼しました……」


僕は逃げるようにさっさと部屋を出た。

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