新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第20章 5syoku
二宮「飯盒炊爨はやったことある?」
聖輝「はい、小学校の頃の林間学校でやりました。」
二宮「そう…」
聖輝「何か楽しいですよね、みんなで協力してご飯作るのって。」
二宮「まぁね。」
聖輝「えっと…お米をといで…」
二宮「…なぁ、涼野…」
聖輝「はい、何ですか?」
二宮「親のこと…好き?」
聖輝「えっ?」
二宮「……。」
聖輝「…好き…ですよ?」
二宮「……そう…」
聖輝「……死んじゃったんですけどね…」
二宮「えっ…?」
聖輝「中学の卒業式の3日前に…交通事故に巻き込まれて…」
二宮「…ごめん……」
聖輝「いえ、もう引きずってないので大丈夫ですよ。」
二宮「お前がさが高に来た理由って……」
聖輝「両親の死から立ち直れなくて、高校受験できなくて…そんな時に叔父さんに会って学校紹介してもらって…それで…」
二宮「そっか…だからケンカ嫌いなんだ…」
聖輝「はい…最初はすごく怖かったんですけど…優誠くんや狛犬さん…二宮さんや松本さんと出会って…さが高に入ってよかったって思ってるんです。」
聖輝「この気持ちはきっと…他の高校に入っていたら感じることはなかったと思います…」
二宮「…俺もよかった…」
聖輝「えっ?」