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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第1章 出会い



そして、数日後……


僕は東京へとやってきた。


都心から少し離れた場所。


ここがお父さんの故郷。


僕はお父さんが生まれ育った町で生活することになった。


聖輝「よいしょっと…ふぅ…」


東京に引っ越ししてきて2日が過ぎ、ようやく新しい部屋の片付けが済んだ。


聖輝「はぁ…疲れた……」


ピンポーン


聖輝「はーい。」


ガチャンッ ガチャッ


「よっ!片付けは終わったかい?」


聖輝「あっ、鷹人叔父さん!」


鷹人叔父さん。


お父さんの双子の弟で、僕が住んでる場所から5分くらい離れた場所で食堂屋『しのぶ』を営んでいる。


ちなみに鷹人さんともお葬式の時に初めて会った。


鷹人「これ、差し入れ!よかったら食べてくれ!」


聖輝「すみません、ありがとうございます。」


鷹人「いやぁ〜、随分綺麗になったな。」


聖輝「はい、叔父さん達が引っ越しのお手伝いをしてくれたから早く片付きました。」


鷹人「いやいや、聖輝くんが頑張ったからだよ。」


聖輝「いえいえ、そんな…」


鷹人「それに、ここまできちっと整理整頓ができるなんて、ウチの春樹とは大違いだな!」


聖輝「いえいえ、物が少ないだけで…」


鷹人「いや、シンプルが1番!素晴らしい!」


聖輝「ふふっ、ありがとうございます。」


鷹人叔父さんはものすごく気さくで明るい人。


冷静で無口だったお父さんとは性格が全く違った。


聖輝「あの、お店の方は大丈夫ですか?」


鷹人「あぁ、裕子とバイトの子達がいるし春樹も手伝ってくれてるからちょっとの間なら大丈夫!」


聖輝「そうですか…」


鷹人「…それにしても…酷い事故だったな……」


聖輝「…はい…」


鷹人「…22年ぶりに顔を合わせたのが…死に顔だなんてな…」


聖輝「……。」


鷹人「あいつ…いい父親だったんだよな、聖輝くん。」


聖輝「…はい…とても…大好きでした…」


鷹人「そうか、そうだよな!聖輝くん見てたら…あいつがちゃんと父親やってたんだなって分かる…」


鷹人叔父さんら目を潤ませながらお父さんのことを語ってくれた。

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