新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第1章 出会い
鷹人「あいつはな、昔から勉強一筋で…ずっと部屋に篭っては勉強してたな…」
鷹人「病弱だった母さんを元気にするんだって…毎日必死に勉強してた…」
鷹人「それとは反対に、俺は友達とバカ騒ぎやっては周りに迷惑ばっかりかけて…」
鷹人「バイクやお酒、タバコなどふかして…典型的な不良人生歩んでたな…」
鷹人「俺と龍一は全く正反対な性格だったから…仲は良くなかったけど…母さんがいたから…まだ龍一も俺や親父と言葉を交わしてくれた…」
鷹人「しかし、俺達が12歳の頃に母さんが亡くなって…それから龍一は俺と親父を更に避けるようになった…」
鷹人「学校から帰ってきても、言葉どころか目さえ合わせてくれなかった…」
鷹人「親父がさ、地元で有名な不良だったから…その息子だって思われるのが嫌だったんだろうな…」
聖輝「…お父さんは…地元は神戸で12歳の頃に母親が亡くなったと言ってました…」
聖輝「地元がここだって事と…おじいちゃんと鷹人叔父さんの事…僕には何一つ語ってくれませんでした…」
鷹人「ははっ!よっぽど嫌いだったんだろうな、俺達のことが…」
聖輝「…寂しいですね…」
鷹人「ん?」
聖輝「家族なのに…思い出から消されてしまうなんて…」
鷹人「仕方ないさ、あいつは不良や暴走族が大嫌いだったから。」
聖輝「…どうして…お父さんは不良が嫌いだったんですか…?」
鷹人「小学生の頃だったかな、龍一が母さんと2人で出かけてた時に暴走族がバイクを乱暴に運転してて…龍一が轢かれそうになった時に母さんが庇って…」
聖輝「えっ…?!」
鷹人「幸いにもかすり傷で済んだけど…それを見てから不良に対する憎悪感が生まれたみたいだな…」
聖輝「そうだったんですね…」
鷹人「あいつは母さん大好きだったからな…もし母さんが今でも生きてたら…多分故郷のことも…俺達のことも…聖輝くんに話してたと思う。」
聖輝「……。」
お父さんの過去にそんなことがあったなんて…