新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第5章 カメレオン
「お前ら、ここで何してんねん?」
「あぁ?誰だてめぇ?!」
「ここは公共の場や、お前らみたいなクズが暴れる場所ちゃうぞ。」
「何だとコラァ?!」
「急に出てきやがってでボッコボコにしてやるよ…おらぁ!!」
聖輝「あっ?!」
ガッ
ドカッ!バキッ!バコッ!
「ぐわっ…!!」
「ゔっ…!!」
聖輝「えっ?!」
「こっこいつ…!!」
「何や?まだ殺るんか?」
「……チッ…!!」
「いっ行くぞ…!!」
不良達は何も買うことなくそそくさと逃げて行った。
「大丈夫ですか?」
お爺「あぁ…ありがとうね…きみも、声をかけてくれて嬉しかったよ…」
聖輝「いっいえ、僕は…」
「えらいすんませんでした。ウチの生徒が暴れてしもて…これ、治療費として受け取ってください。」
お爺「いっいや、こんなお金受け取れんよ!」
「ええんです。こちらが迷惑かけたんで…気にせんとってください。」
お爺「……。」
店長「お客様?!大丈夫ですか?!」
店長らしき人が駆け寄ってきてお爺さんに声をかけた。
お爺「あぁ…大丈夫じゃよ…」
店長「そうですか…君達も他のお客様もケガはありませんか?」
聖輝「はっはい、大丈夫です…」
「騒ぎを起こしたのはウチの生徒なんです、誠に申し訳ございませんでした。」
店長「いや、まぁ…さが高の生徒達には正直手を焼いていますが…」
「これ、迷惑料として受け取ってください。」
店長「なっ?!こっこんな大金…受け取れませんよ!」
「いや、お店の営業妨害をしたんです…受け取ってください。」
店長「いやっ……」
聖輝「あっ…あの…」
「お前も災難やったな、気ぃつけや。」
聖輝「あっ……」
僕を助けてくれた男の人は静かにお店を出た。