新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第22章 御曹司の疑惑
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました櫻井様。」
櫻井「どうも。」
聖輝「こっこんばんわ…」
「こんばんわ、こちらへどうぞ。」
櫻井「行こ、聖子ちゃん。」
聖輝「はい…」
僕は翔くんの腕を組んで、ウェイターさんのあとについていった。
聖輝「わぁ…綺麗…!!」
通されたお部屋は個室で窓から綺麗な夜景が見える。
櫻井「どう?気に入った?」
聖輝「はい…素敵です!」
櫻井「よかった…ここ、お気に入りの場所なんだ。」
聖輝「そうなんですか?」
櫻井「うん、よく1人で来るんだ。」
聖輝「えっ?1人で来るんですか?」
櫻井「まぁね、ちょっと疲れた時や1人になりたい時にね。」
聖輝「へぇ…」
櫻井「こんなおしゃれなレストランに1人で来るのって変だよね。」
聖輝「そっそんなことないですよ!1人になりたい時にはすごくいい場所だと思います。」
櫻井「そう?ありがとう。」
聖輝「このお店って…あの、櫻井財閥の何かなんですか?」
櫻井「いや、ここのオーナーと仕事関係で知り合ってね、オープンした時にこの場所に招待してくれたんだ。」
聖輝「へぇ…」
櫻井「それ以来、ここは俺だけの特別な場所になったんだ。」
聖輝「特別な場所…?」
櫻井「そう、オープンしてからこの場所は俺以外入れさせたことないんだ。」
聖輝「えっ?!翔くんだけしか入ったことないんですか?」
櫻井「うん。」
聖輝「へぇ…」
櫻井「ここに誰か連れてきたのは聖子ちゃんが初めてだよ。」
聖輝「私が…初めて…?」
櫻井「うん、別荘もそうだけど…特別な場所には特別な人しか連れてこないから。」
聖輝「翔くん……」
櫻井「どう?ここ…気に入ってくれた?」
聖輝「はい、とっても綺麗で素敵です…」
本当に綺麗…
櫻井「そう…よかった…」
聖輝「すごい……」
この街って夜になるとこんなに綺麗なんだ……
櫻井「聖子ちゃん。」
スッ
櫻井「どうぞ。」
聖輝「ありがとうございます。」
僕は翔くんにエスコートされて、ようやく席についた。