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愛のおねだり

第1章 愛のおねだり

         17

 階段も、あたしを、お姫さま抱っこしたまま上って行きます。
 あたし、途中で泣きだしました。
 嬉しくて嬉しくて。
 優さんの首に、両手をまわして、しくしくと泣きました。
 布団のところにいきましたら、優さんが、あたしの涙を優しく吸い取ってくれるのです。
 そして、あたしを、布団のうえにゆっくりおろしてくれました。
優さんも、あたしの隣に寝て抱きしめてくれました。
 「優希ちゃん
  きょうは
  私と
  優希ちゃんの
  結婚の日だ
  みんなの前で
  式をあげるのは
  もちろんするけど
  きょうは
  二人の
  結婚の日だよ」
 「嬉しい
  優さん
  そんなふうに
  思ってくれてたの」
 「うん
  ほんとの意味での
  結婚を
  これから
  するんだよ」
 あたし、もう涙が止まりませんでした。
 優さんに抱きついて、大声を出して泣きました。
 優さんは、あたしが泣きやむまで、優しく抱いてくれていました。
 あたしが、涙がとまっても、ひっくひっくと言っているあいだも、優さんは、優しく抱いてくれていました。
 ようやく、息がふつうになりましたら、
 「優希ちゃん
  私も
  泣きたいくらい
  嬉しい」
 「ほんと」
 「うん
  ずっと
  好きだった
  優希ちゃんと
  愛しあえるから」
 「優さんと
  ほんとに
  愛しあえるんだね
  嬉しい」
 「優希ちゃん
  結婚と
  言ったけど
  むずかしく
  思わないで
  気持ちよく
  なれるように
  リラックスしてね」
 「うん
  優さん
  気持ちよく
  してね」
 「愛しあって
  気持ちよく
  なるのが
  結婚には
  大切なことだからね」
 優さんは、そう言って、優しくキスしてくれました。

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