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愛のおねだり

第1章 愛のおねだり

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 1時間、撫でてくれただけだけど、とっても嬉しかったし、とっても気持ちよくなりました。
 あとで、パンティを確かめましたら、濡れているのがわかりました。
 あたしは、ずっと不感症だと思っていました。
 それは、あそこが濡れないからです。
 それを、優さんが直してくれました。
 直してくれたというより、優さんが愛してくれるとき、あたしのあそこがすごく濡れるんです。
 優さんは、女性は濡れるのが当たり前なのだから、なにも不思議なことではないと言ってくれます。
 でも、あたしは、優さんのセックス教育のおかげだと思っています。優さんが、あたしに、どんなセックス教育をしてくれたのか、一日ごとにお話します。
 あたしが、優さんと話すようになったのは、万引き事件のときです。
 正確に言えば、事件にはならなかったのですが。
 あたしの家族で経営しているコンビニで、中学生の男の子が、万引きをしようとしていたのを、優さんが防いでくれたのです。
 その男の子が、オドオドとシャーペンに手を伸ばそうとしたとき、優さんがサッとそのシャーペンを取ったのです。
 「これ
  おじさんが
  買ってもいい?」
 男の子は、可哀そうなくらいうなだれて、首をコクっとさせました。
 そして、走って店から出ていきました。
 あたしは、優さんに、
 「ありがとうございます」
 と言いました。
 「いやいや
  あの子を
  万引き犯にしなくてよかった」
 そして、あたしをじっと見ながら、
 「優希ちゃんだったね」
 「はい
  久村さんですよね」
 「私を知っているの?」
 「久村さんの塾には
  行かなかったけど
  あたしと同じ字の
  名前というのは
  知ってたの」
 「私は
  君のお父さんから
  聞いたよ」
 「えっ
  いつ」
 「いつだったか
  飲み屋でね」
 「もう
  おしゃべりめ」
 「うちの美人の
  娘の名前も
  あんたと
  同じ字を書くんだとね」
 「くそ
  あのハゲ」
 「父親から
  美人と言われて
  怒るの?」
 「美人じゃないもん」
 「とんでもない
  優希ちゃんは
  美人だよ」
 「またまた」
 「自分じゃ
  そう思ってないの?」
 あたしは、なんと言っていいかわからず、赤くなってもじもじしていまた。

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