
狼からの招待状
第5章 化石の街
「─チャンミンさんに、注意できない?」小さな頷きをしながら、「駄目なんだ」口を閉ざした。 「リーダーで年上のユノ先輩が、何故です」…躊躇って、「チャンミンは、脱退した3人に上海のコンサート中に嫌がらせをされた。舞台で本番中に、ダンスの絡みをわざと外したり…」「本番中に? プロ失格だ」「客席も騒がしくなって…何とか、取り繕ったけど─」「けど…?」「帰りの飛行機のなかで。チャンミン、ずっと毛布を被ったままだった」グレが首を傾げ、「チャンミンさんは、グループのマンネ(末子)でしたよね?」笑ってユノは、「口も性格もきついマンネ…だからブラックマンネって、呼ばれてた」「それが仇になったのかな」「…たぶんね」
──呼び鈴にドアが開き、アイスティーが運ばれてきた。
「最後の質問ですが─」「うん」「薬物の逮捕の件…1年前ですね」「あ─ぁ」「それ以前に、自死された所属タレントさんが、お二人おられましたね?」黙ってユノは、タンブラーを揺らす。
「そのお二人と薬物の関係は…」かぶりを振るユノ。「薬に逃げる二人じゃない…」─カランと氷のぶつかる音。
「ユノ先輩が云われるのでしたら、確かでしょう。失礼しました」
──呼び鈴にドアが開き、アイスティーが運ばれてきた。
「最後の質問ですが─」「うん」「薬物の逮捕の件…1年前ですね」「あ─ぁ」「それ以前に、自死された所属タレントさんが、お二人おられましたね?」黙ってユノは、タンブラーを揺らす。
「そのお二人と薬物の関係は…」かぶりを振るユノ。「薬に逃げる二人じゃない…」─カランと氷のぶつかる音。
「ユノ先輩が云われるのでしたら、確かでしょう。失礼しました」
