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狼からの招待状

第5章 化石の街

 “エミン嬢。来月まで帰国延期、毎日のご訪問をキム侍従が待っています チャンミンさん。明後日よりリハビリ開始”──グレからのメッセージを見ているうちに、ある出来事をユノは思い出す……
 ──(チャンミン。脚本みたよ、お前の役…吸血鬼?)(…え…? 違いますよ。世孫です、密かに王位を狙う…)(そうだった─格好良いな)(…でしょうか、王族の威厳出すの…難しい)(─うん。相手役の女優、ボーイシュッで可愛い…ね)(男装している役なんです。史劇らしいでしょう)
 ──何年前になるのか…(あの史劇のなかで)…“一文字の眉は意地っ張り─強情な、性格だな”…不満そうな男装のヒロインの顔。………(ユノ。眉と目の迫った顔は金銭欲が強い。計算高い性格だそうです)(付き合いたくない、人物だ)(上目遣いは、隙を伺うスタイル。嘘も平気でつく)(女に多いな、そういうの)(男だと意気地無しみたいですね)……ウンギョンを乗せて車で走り去った男…(あの顔─だ、ああいう顔つき…)
 ──(ユノ…顔は嘘をつきません)笑いながらチャンミンが云い、(『王の顔』も『観相師』も、それが主題でした)

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