
狼からの招待状
第6章 風のなかの二人
「ユノ先輩。覚えてます? 俺のバイトの本屋で、チャンミンさん似を見た…」「う─ん。バスのなか…で、書店の脇を歩いてた」「俺も見たんです、店の横の路地」「え? いつ」「一昨日です。よく似てたんで、俺は外に出て…もう消えてた」
─微かなチリン…の音。「オレガンマ~ン(久しぶりだー)」ジムのオーナーが、ひとりでふらりと入ってきた。
目の前にジンジャーエールの瓶が差し出される。
「ひと息、入れたらどうだ」がっしりした腕から、ふたりは一礼して受け取った。
…たまには、お前たち─ジムに来い…淋しいぞ?
前夜、〈アンゲ〉でそう誘われ、ふたりは午後の遅い時間をジムで汗を流した。
翌日にすぐふたり揃ってやって来たことに、オーナーは気を良くしたらしい。あけっ広げで、単純な好漢だ。
「昨夜の続きですが─」瓶を口元に傾け、フライが首筋の汗をタオルで拭う…「チャンミンに、似てる人を見た…」ジンジャーエールの瓶を両手に挟んだユノは、前髪が湿っていた。
入り口から、新入会員のグループを、オーナーが案内する声が届く。
─微かなチリン…の音。「オレガンマ~ン(久しぶりだー)」ジムのオーナーが、ひとりでふらりと入ってきた。
目の前にジンジャーエールの瓶が差し出される。
「ひと息、入れたらどうだ」がっしりした腕から、ふたりは一礼して受け取った。
…たまには、お前たち─ジムに来い…淋しいぞ?
前夜、〈アンゲ〉でそう誘われ、ふたりは午後の遅い時間をジムで汗を流した。
翌日にすぐふたり揃ってやって来たことに、オーナーは気を良くしたらしい。あけっ広げで、単純な好漢だ。
「昨夜の続きですが─」瓶を口元に傾け、フライが首筋の汗をタオルで拭う…「チャンミンに、似てる人を見た…」ジンジャーエールの瓶を両手に挟んだユノは、前髪が湿っていた。
入り口から、新入会員のグループを、オーナーが案内する声が届く。
