
狼からの招待状
第6章 風のなかの二人
「そうか、そのバイト先、行っていい?」ちらりと、青年を見た目つきがきつい…「店開ける準備とか、全部ひとり?」 また、黙って頷く。「オレ暇だから、手伝おうか」「ジャスミ~ン…。またね」結んだ髪を両肩に垂らした少女めいた女性が、透明な傘を開きながら挨拶してゆく。「はい。雨ですから、お気をつけて…」葡萄色のセパレーツの後ろ姿にお辞儀をする。
青年も一緒に頭を下げた。
─ぷいと顔を背けるように、ジャスミンは雨のなか、飛び出していく。
「ジャスミン…おいてくなよ」素早く走る水色のシャツの背中を追いかける。─〝Sonin Bartender School〟の青い蛍光色の看板が、霧雨にけぶる街角の空、鮮やかに瞬く。
青年も一緒に頭を下げた。
─ぷいと顔を背けるように、ジャスミンは雨のなか、飛び出していく。
「ジャスミン…おいてくなよ」素早く走る水色のシャツの背中を追いかける。─〝Sonin Bartender School〟の青い蛍光色の看板が、霧雨にけぶる街角の空、鮮やかに瞬く。
