
狼からの招待状
第7章 ブルー・クリスマス
「うーん?」酒に赤くなった顔の前で揺らめく、フラスコに似た形の透明なペンダント・ヘッド。
「なんだ」「わからないの? おじさんの愛する眞~くんよ」「まさか」路上にヘタリ込む。
「眞~くんよ」小さいフラスコ形のなかで、蛆虫のように蠢くもの。
「おまえっ」唾が飛ぶ。空中を滑る動きで、それを避け、「眞~くんよ。よく見て…裸なの」ゆらゆらと揺れ動くペンダント──黒いレースの手袋の指には、エメラルドの指環。
「うお、ア…」男の淀んで濁った赤い目が、指環の緑色の大きな宝石に吸い寄せられる。「あら…。愛しの眞~くんは、こっちよ」ペンダントをくるくると、ダウジングでもするように回した。
グローブのような指が、緑の指環の嵌まった細い黒レースの指先を掴もうと、伸びる。
─ピシッと、鋭い音がした。赤いずんぐりした鼻を押さえた男が、路上に無様にひっくり返った。
空中に浮き上がった黄金のドレス姿、弾ける華やかで、楽しげな笑い声……
宙を舞う、ペンダント。軌道を外れたロケットのように──
「なんだ」「わからないの? おじさんの愛する眞~くんよ」「まさか」路上にヘタリ込む。
「眞~くんよ」小さいフラスコ形のなかで、蛆虫のように蠢くもの。
「おまえっ」唾が飛ぶ。空中を滑る動きで、それを避け、「眞~くんよ。よく見て…裸なの」ゆらゆらと揺れ動くペンダント──黒いレースの手袋の指には、エメラルドの指環。
「うお、ア…」男の淀んで濁った赤い目が、指環の緑色の大きな宝石に吸い寄せられる。「あら…。愛しの眞~くんは、こっちよ」ペンダントをくるくると、ダウジングでもするように回した。
グローブのような指が、緑の指環の嵌まった細い黒レースの指先を掴もうと、伸びる。
─ピシッと、鋭い音がした。赤いずんぐりした鼻を押さえた男が、路上に無様にひっくり返った。
空中に浮き上がった黄金のドレス姿、弾ける華やかで、楽しげな笑い声……
宙を舞う、ペンダント。軌道を外れたロケットのように──
