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狼からの招待状

第7章 ブルー・クリスマス

 「姉さん」
闇に輝く金髪の少年。ベルベットのショートコート、踝までの革の靴─「イボンヌ」…ゆっくりと落ちてくる、ペンダントを革手袋の片手で受け止めた。 
 「─テディ、返して」エメラルドが煌めく指先が、ペンダントの鎖を取ろうとする。
 金髪の小公子は、ペンダントを耳元に持ってゆく。…海の調べを聴き取ろうとする…巻き貝のように…
 「助けてって、泣いてる。出してやろうよ」「返して」
 ペンダントをひったくろうとした。
 「あ。…」セオドアの丈の短いコートの純金のボタン。むしり盗ろうとした男の太った腕に絡まり、遠くへ飛んだペンダント。
 闇の向こうで、ガシャンと、耳障りな音を立てた。
 膨れっ面で腕組みをするイボンヌ。

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