
狼からの招待状
第2章 霧魔
─バッグから、ビニールの手提げ袋に入った写真集を出す。(渡せなかった)…ページを繰ると─、…青空を飛ぶカモメ…白い帆のヨット…波─飛沫─(チャンミン)……にやり嗤う肉感的な唇……
写真集を閉じ、ビニール袋に入れようとして、指先に触れたもの─黒のカード、裏返すとトランプ…。スペードの女王が、天井近い柱の間接照明の灯を跳ね返す。
「先輩…」おずおずした声に振り返ると、フライの弟連中がすまなそうな顔で並び、「あの時は、…すいません、でした!」一斉に頭を下げた。
ジムは平日の夕方まえで、あまり人はいなかったが、トレーニング・マシンの上から、こちらを不思議そうに見る顔もあった。
「先輩、ユノさん…ですよね」「…あぁ」「ユノさんって、知らないで…サンドバッグ、格好よかったです」また、勢いよく頭を下げた。
「お前ら」デニム地のベスト姿のフライが、ロッカー・ルームからやってきた。
「ちゃんと謝ったか」「もういいよ」応えるユノに再び全員が、お辞儀する。「あの、ユノさん」「なんだ?」フライが訊くと、「握手して、ください」
写真集を閉じ、ビニール袋に入れようとして、指先に触れたもの─黒のカード、裏返すとトランプ…。スペードの女王が、天井近い柱の間接照明の灯を跳ね返す。
「先輩…」おずおずした声に振り返ると、フライの弟連中がすまなそうな顔で並び、「あの時は、…すいません、でした!」一斉に頭を下げた。
ジムは平日の夕方まえで、あまり人はいなかったが、トレーニング・マシンの上から、こちらを不思議そうに見る顔もあった。
「先輩、ユノさん…ですよね」「…あぁ」「ユノさんって、知らないで…サンドバッグ、格好よかったです」また、勢いよく頭を下げた。
「お前ら」デニム地のベスト姿のフライが、ロッカー・ルームからやってきた。
「ちゃんと謝ったか」「もういいよ」応えるユノに再び全員が、お辞儀する。「あの、ユノさん」「なんだ?」フライが訊くと、「握手して、ください」
