放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第3章 ハジマリの日
「ここじゃスリルありすぎるよね?」
そう言われて、見渡したこの空き教室。
グラウンドが一望できる連なった窓と、廊下が目視できるような小窓つきのドア。
こんなところで、そんなことできるわけがない。
「ここは……絶対にだめ……」
そんなあたしの答えなんてはじめっからわかっていたようで、小笠原君はポケットから鍵を取り出した。
鍵の銀色が西日にきらめく。
鍵をあたしに握らせると、そのままあたしの手をとって指先がひく。
異性と手をつなぐなんて記憶にある限り初めて。でも小笠原くんはたぶん慣れてる。
だってこんなに自然なんだもん……。
繋がれるというよりは引っかかったような手のつなぎ方で導かれたのは
部室棟の、ある一室。
「……じゃあ、姫路さんが鍵あけて」
それはきっと最終確認だった。
この不適切な関係を選んだのは、
鍵穴に鍵をさしこんで、ためらいながらも時計回りに回してしまった、このあたし。
そう言われて、見渡したこの空き教室。
グラウンドが一望できる連なった窓と、廊下が目視できるような小窓つきのドア。
こんなところで、そんなことできるわけがない。
「ここは……絶対にだめ……」
そんなあたしの答えなんてはじめっからわかっていたようで、小笠原君はポケットから鍵を取り出した。
鍵の銀色が西日にきらめく。
鍵をあたしに握らせると、そのままあたしの手をとって指先がひく。
異性と手をつなぐなんて記憶にある限り初めて。でも小笠原くんはたぶん慣れてる。
だってこんなに自然なんだもん……。
繋がれるというよりは引っかかったような手のつなぎ方で導かれたのは
部室棟の、ある一室。
「……じゃあ、姫路さんが鍵あけて」
それはきっと最終確認だった。
この不適切な関係を選んだのは、
鍵穴に鍵をさしこんで、ためらいながらも時計回りに回してしまった、このあたし。