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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第3章 ハジマリの日

あたしの頭に置かれていた小笠原くんの片手がおりて、熱っぽいあたしの頬を包んだ。


「……する?」


ドクンドクンと激しくなる鼓動。

あたしをがんじがらめにする薄茶色の瞳。


ごく、と唾をのみこんだ。


「あ、たし……そういうの、なにも、経験ないの……」


「なんとなくわかるよ。姫路さんって男子とほとんど喋ったことないでしょ」


……知ってるんだ。


余りの緊張に視線を落としかけたとき、顎を人差し指にとらえられて、くいっと上を向かされた。


「……っ」


「男嫌いなんて、俺が治してあげる」


わずかに浮かぶ妖艶な笑みに、あたしは魔法でもかけられたようだった。



……こくり。と頷いてしまったのは、なんでだったんだろう。


好奇心?
いやそんなんじゃない。


「……逃げるなら今だよ」


穏やかな口調、選択肢をあたえつつも、選ぶ道はひとつだけのような、小笠原くんの甘い引導。



「……ううん。逃げない……」


そんなこと、自分の口から発せられるなんて。


真っ赤になって俯くあたしを、小笠原くんは笑った気がした。


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