テキストサイズ

放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第3章 ハジマリの日

丸いドアノブに手をかけて灰色の重たい扉をあけると、そこにはソファが二組、大きなテーブルを囲んでおかれていた。



「……ここって」


「もう廃部になった手品部の部室。偶然鍵もらったんだよね」


「手品部……」


乱雑につまれた段ボールから溢れたビビットカラーの雑貨たちは、手品部が使っていたマジックの道具なんだろうか。



ぐるりと部屋を眺める。

すぐに視界に入った小笠原君はネクタイを緩めながら、あたしの視線に気づいたみたいだ。



「……っ」


薄茶色の瞳と視線が絡んで、どきんと心臓が跳ねあがる。



「……おいで」


背中にふれた、小笠原君の手のひら。


じわりと体温があがる。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ