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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第9章 先輩と傷跡

「飲まされて……それから……?」



恐る恐る問う澄くんをみたら、また新しく涙が溢れてきた。


「あのね……、あたしね……」



薬のせいで力が入らなくて、どんなに体をさわされてもどうしようもなくて。


出したくもないのに声が出て悔しかった。


でも……あと少しで入りそうだったけど入らなかったし、ゴムはつけてた。


だから最後までしたんじゃないの。


でも……体じゅうが気持ち悪くてたまらない。


震えながら伝えて、泣きじゃくって、あたしは澄くんの腕にしがみついていた。




「……ごめん。もっと早くあそこの廊下通れば気づけたかもしれないのに」


何で澄くんが謝るの。
そうじゃないの。あたしのせいなの。


だから後悔が止まらないの。



あたし、触られるのは澄くんだけがよかった……。




「あたしが、先輩に……ついていって、しまったせい、だから……」


「なんでついてったの?」


「何も……かんがえて……なくて……」


「バカ……。もうそういう隙、ぜったいに作るなよ」



まるであたしの傷を探るように、澄くんは髪に手を伸ばし、そっと撫でた。


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