放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第10章 間違いと後悔
『じゃあ俺に聞くな。しらねーよ』
『ひっど。彼女とやりまくって生きてきたくせに!』
『あー眠い。早く食べて寝よ』
『三億年寝てろ! ……ってまだお前昼夜逆転してんの?』
『んー』
『いい加減忘れろよ。失恋は新しい恋で直すんだってミナが言ってたぞ』
『どうでもいー』
またのろけかよ。
はやく寝よう。三億年寝よう。
そんな翌日、東から無事初体験を成功したことを報告された。
本当に心底きもいんだけど。
――そしたら。
姫路さんが熱っぽく東を見つめてるのに気づいた。
これだけ見つめられて気づかない東の鈍感力こそ、あいつが今まで彼女ができなかった原因だと思う。
姫路さんの大きな目を囲む長いまつげは少し伏せられ、色っぽく視線をよこす瞳に思わずドキッとする。
もしかしてミナさんに東とヤったみたいな話を聞いて、それで?
……欲情。表情に名前をつけるならそれが一番しっくりくる。
「はぁ……」と口元から零れるため息も、纏う雰囲気も、俺の心臓を高鳴らせるには十分な刺激だった。
――だから俺は、あの日、声をかけたんだ。
授業をさぼって寝るために使ってきた手品部の部室の鍵をちらつかせて……。
『ひっど。彼女とやりまくって生きてきたくせに!』
『あー眠い。早く食べて寝よ』
『三億年寝てろ! ……ってまだお前昼夜逆転してんの?』
『んー』
『いい加減忘れろよ。失恋は新しい恋で直すんだってミナが言ってたぞ』
『どうでもいー』
またのろけかよ。
はやく寝よう。三億年寝よう。
そんな翌日、東から無事初体験を成功したことを報告された。
本当に心底きもいんだけど。
――そしたら。
姫路さんが熱っぽく東を見つめてるのに気づいた。
これだけ見つめられて気づかない東の鈍感力こそ、あいつが今まで彼女ができなかった原因だと思う。
姫路さんの大きな目を囲む長いまつげは少し伏せられ、色っぽく視線をよこす瞳に思わずドキッとする。
もしかしてミナさんに東とヤったみたいな話を聞いて、それで?
……欲情。表情に名前をつけるならそれが一番しっくりくる。
「はぁ……」と口元から零れるため息も、纏う雰囲気も、俺の心臓を高鳴らせるには十分な刺激だった。
――だから俺は、あの日、声をかけたんだ。
授業をさぼって寝るために使ってきた手品部の部室の鍵をちらつかせて……。