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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第10章 間違いと後悔

『色葉……なん……』


なにされた……?


涙でぐちゃぐちゃな色葉の服を直しながらぎゅっと抱きしめながら、泣きそうになった。


じーちゃんの声が頭に響いている。


【好きな子をどれだけ傷つけるか想像はできたか?】

【大事にしているか】



こんなに、取り返しのつかない傷を負わせたのは……俺だ。


先輩の動画を消させて、持ってる限りの知識全部で脅しをかけてから。


色葉は俺に手を伸ばした。



『澄くんが……気持ち悪いの、消して』



媚薬のせいで、頭はきっと働いてない。



俺が色葉に触れて、余計傷つかないの?


不安が大きくて戸惑いはあったけど、


『嫌だったら……見捨てて、先に帰って』


そんなふうに泣かれてしまうなんて。


胸が張り裂けそうだった。


嫌なわけない。見捨てるわけない。


……傷つけたくないだけだ。



「わかった。全部俺が消す。消えるから、全部」



どんなに上塗りしたって消えるはずのない傷を、治せるんだって暗示をかけるように俺は色葉を抱いた。


「あぁ……、あんー……っ」


甘く声を上げる色葉。



……大事にできなかった大切な子。



本当に俺は最低だ。


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