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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第10章 間違いと後悔


事件は大っぴらに出ることはなかった。

色葉も警察にも家族にもだれにも言いたくないって言っていた。澄くんももうその話に触れないでって。


きっと悔しくてつらくて、すぐにでも忘れたい出来事なんだと思う。


だから俺は、色葉の視界のできるだけ外にいるようにした。



それでもたまに目が色葉をおっていて、合えばすぐに逸らす。


色葉を避けていると少し楽になれた。



色葉に近づかなければ、これ以上自分の手で彼女を傷つけることはないから気が楽なんだと思う。



それにあの日の出来事は、俺にとってもかなり精神的負担が大きい出来事だったようだ。



夜になっても朝がきても眠れない。



乱れた服、泣きながら喘ぐ色葉。彼女を抱く……青井先輩。


頭に浮かんでは消える映像と後悔。


「……っ」



直りかけていた不眠が再発した。


色葉を思うと胸が苦しくて仕方ない。



こんな俺よりずっと、色葉が負った傷は何億倍も大きいなんて思うと……目の前が真っ暗になる。



……全部、俺のせいだ。




色葉、ごめん……。



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