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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第11章 放課後の約束



SIDE 姫路色葉





……セミの声がする。



7月ってセミがいるんだっけ。
いるか、夏だもん。



ぼんやりとした頭で、登校した。



今日は進路説明会がある日だ。



この学校のOB、OGが受験の様子、大学の様子、進路選択のアドバイスなどをくれるんだ。



朝から蒸し暑い体育館に整列する。



大きな扇風機がゴーゴーと音を立てているけど、たいして涼しくはない。



「だーるーい。あつーい。メイク崩れるじゃんねぇ~」



ミナが唇を尖らせて、


「暑いって言わないで。余計暑くなる」



サラはうちわであおぎながらミナに文句をつける。



「あっ。東っちだ!」


その声に体温があがるほどドキッとした。


だって、東くんのいるところ澄くんあり、だから。


「あっち座ろ!」


とミナに手を引かれて、列に並ぶ。


並び順は各クラス男子一列、女子一列に並ぶという決まりしかなく、並び順は自由だ。


だからミナは東くんと隣になろうと結構前のほうに並んだんだけど……。



……うそ、澄くんの隣だ、あたし……。


心臓が弾けそうなくらいドキドキする。



でも、あたしの隣は嫌じゃないかな。


澄くんの視界から外れるように、少し後ろに下がると、もっと詰めてと後ろの人に注意されてしまった。


東くんと談笑する澄くんはあたしのことなんか見てないし、こんなに緊張する必要ないのに。


小さく三角すわりして深く俯く。


バクバクと心臓が鳴って、緊張のせいで指先が震えてきた。


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