放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第12章 夏祭りと毒林檎
夏祭りの約束は東くん経由でとりつけた。
意外にも澄くんは東くんの誘いを断らなかったらしい。
東くんはあたしが澄くんに片思いしているってことだけ知っているけど、澄くんとあたしがセフレ関係にあったことも、先輩とのことも何も知らない。
――そうして夏祭りの日がやってきた。
7月の終わり、夏休みの序盤の夕方、あたしは浴衣を着てミナの家に来ている。
「こんなのとか、こんなのとかぁ、どっちのメイクが好きぃ?」
ミナは大量のコスメをローテーブルに置いてあたしの顔を覗き込む。
「ミナ的に量産型でいいかなぁって思うんだよねぇ。モテっていうかー男ウケはいいし、色葉って甘い感じが似合いそうだし」
えと、さっぱりわからないよ。
「似合うのでお願いします……」
どんどんと並べられていくピンクやブラウンのアイシャドーや、キラキラしたラメの強い何か……あたしにはよくわからないけど、
とにかくミナはメイクがうまいから、全部任せたい。
「じゃあ可愛くしちゃおう! 打倒、小笠原くんっ!」
「打倒ってな・」「あ、しゃべんない。口閉じて?」
「……」
もう本気の目だ。あたしはされるがまま、プロの手に身を預ける。
意外にも澄くんは東くんの誘いを断らなかったらしい。
東くんはあたしが澄くんに片思いしているってことだけ知っているけど、澄くんとあたしがセフレ関係にあったことも、先輩とのことも何も知らない。
――そうして夏祭りの日がやってきた。
7月の終わり、夏休みの序盤の夕方、あたしは浴衣を着てミナの家に来ている。
「こんなのとか、こんなのとかぁ、どっちのメイクが好きぃ?」
ミナは大量のコスメをローテーブルに置いてあたしの顔を覗き込む。
「ミナ的に量産型でいいかなぁって思うんだよねぇ。モテっていうかー男ウケはいいし、色葉って甘い感じが似合いそうだし」
えと、さっぱりわからないよ。
「似合うのでお願いします……」
どんどんと並べられていくピンクやブラウンのアイシャドーや、キラキラしたラメの強い何か……あたしにはよくわからないけど、
とにかくミナはメイクがうまいから、全部任せたい。
「じゃあ可愛くしちゃおう! 打倒、小笠原くんっ!」
「打倒ってな・」「あ、しゃべんない。口閉じて?」
「……」
もう本気の目だ。あたしはされるがまま、プロの手に身を預ける。