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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第12章 夏祭りと毒林檎

「何歳? どこ高なの? こんな美人うちの学校にはいないからさぁ! 連絡先教えてよ!」


畳みかけるような一方的な会話。


呼吸が、荒れていく。


ミナたちの方へ目を移したら、なぜか見当たらなくて焦りが加速する。


後ずさりした体が木にぶつかった。


「ね? 俺おごるしさ! あっちの屋台のほうが珍しいの置いてんだよ? いかない?」


何かを喋ってる。
あたしに何か聞いてる。


でも怖くてわかんない。頭に入らない。



冷え切った両手に汗がにじむ感触。



「や……」



呼吸が、息が、上がる。



怖い。怖い、助けて、澄くん……!



「色葉!!!」



澄くんの体があたしと男の人の間に割り込まれた。



「この子になんか用かよ?」


「え……うわ、彼氏いんの? ちっ。じゃあね可愛いちゃん」



ひらひらと手を振ってあっさり去っていく姿。



それさえ青井先輩とかぶってしまう。


怖かった……。


「真っ青じゃん……大丈夫?」


「……う、ん」



小さく震える両手を隠すように後ろでこすり合わせる。


「……」


でもそれ以上の言葉さえ口から出てこない。



「ごめん、ひとりにして……。油断した。また俺……」



そっと伸びる両手があたしの体をぎゅっと包みこんだ。



途端、ふわりと鼻先をかすめる甘いフレグランスの香り、澄くんの匂い。



体に安心が流れ込んでくるみたいだ。


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