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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第13章 夏祭りと告白

澄くんはベッドではなく、ソファに座っていて「何か飲む?」とドリンクの一覧を見せてくれた。



「あ……大丈夫」

「そ」


あたしもソファの向かいに腰を下ろす。


そわそわして落ち着かないのは、豪華すぎて広くて、身の丈に全然合わないことと……、


前にサラから聞いたことを思い出したせい。



「ね……澄くん。こういうホテルって、お化けでる?」


「お化け?」


「……うん、サラが言ってた」



「よく聞くけどどうなんだろうね。姫路さん霊感あるの?」


「ないよ」


「じゃあ大丈夫でしょ」



霊感がないから大丈夫につながる理由がかわらないよ……。


「そろそろ沸いたかな。見てくるね」


何だか怖くなってきてしまって、あたしは澄くんの後ろをぴったりとついていく。


「沸いてる。入っていいよ」



やっぱりお風呂はやめとく、なんて着いて早々こんなに準備してもらった手前、言いづらい。



「あの」


ツンと、袖を引いた。



「……一緒にはいっちゃだめ?」



掠れるような小さい声になっちゃった。


「……え、一緒に? そんな怖いの?」



こくんと頷くと、澄くんは困ったように頭を掻いて「はぁ……」とため息まで吐かれてしまった。

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