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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第14章 夏祭りと朝焼け

俺はね、中学生くらいからよく告白されて、なんとなく付き合ってた。


でも彼女には毎度毎度同じこと言われるんだ。


『小笠原くんは本当に私のこと好きなの?』



聞かれるたびに『すきだよ』って答えたし、好きだから一緒にいるんだろってちょっと怒りさえあったけど。



高1の冬に別れた彼女、姫芽先輩に言われたんだ。


『本当の恋じゃないなら私は小笠原くんの彼女をやめます!』



泣きながらくしゃっと笑う彼女を、まるで傍観者のように眺める自分に気づいてやっとわかった。


引き止めてほしいという最後の賭けで俺を試す姫芽先輩に、俺は手を伸ばすわけもなく。


……なにひとつ感情がわいてこない事実。



俺、好きって気持ち、わかってないのかも。


そんなことに気づくまで、何人と付き合ったのかも覚えてない。

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