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「それが俺の不眠の原因」


「そ、なんだ……」


「俺は……好きでもない子、いっぱい抱いたと思う」


恋してないなんてこと全然気づかずに。


「……うん」


「うん、じゃないでしょ。色葉だって、付き合ってもないのにやられてんじゃん」


「うん……」



だから、うんじゃないでしょ。



なんでそんなにぼうっとしてんの。


なんでいつも隙があるの。


なんで付け込みたくさせるの。



「……俺のこと引いたっしょ？」



ウブで純粋な色葉に似合うわけの無い俺。


なのに色葉は首をぶんぶんと横に振った。



「……引くわけない」


そして背中から回る二本の腕。


「……話してくれてありがとう」



まるで母親が包み込むような優しい温もりをくれる色葉に……、俺の心臓は性の反応でドックンと大きく波打つ。


「抱き着くとか……そんなんしたら、シたくなるって思わないの？」


俺は色葉を責めるように言った。


自分の崩壊していく理性をまるで全部色葉のせいにしたいかのように。



危ないって気づいて、はやく離れて。


俺は欲しくてたまんないから。


逃げてよ。


だけど、色葉は。


「澄くんは……あたしとシたいって思ってくれるの？」


俺の予想の外の言葉を返した。