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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第14章 夏祭りと朝焼け

黙り込む俺のほうを色葉は肩越しに振り返った。


「……でもわかってるからね。澄くんが、好きって気持ちわからないのも、誰とも付き合う気がないことも……理解してるから」



ふ、と頬を緩めて、優しく笑う色葉は、



「……だから、それでいいから……たまに、また会ってくれる?」


そういうのを、世間では都合いい女っていうんだよ。


そんなことを言わせても、“俺も好き”って言っていいのかわからない。


そしてきっぱりと線を引いて、色葉を遮断する勇気さえない。



屑の屑だと思う。


そんな俺は言った。



「……少し、時間が欲しい。考えてさせて」



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