放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第15章 本当の好き
SIDE 姫路色葉
◇
『少し時間が欲しい。考えさせて』
セフレの立場を保留にされたあたしは、どこまでも失恋していく。
それでもいいからってしがみつくような関係ダメだってサラに怒られた。
そんな夏休みの登校日。
授業が終わって帰ろうとした時、サラはしびれを切らしたように言った。
「私、小笠原くんと話したい。色葉も隠れてこっそり聞いてたらいいよ」
そう言われてあたしは放課後、教卓の中に隠れるという恥ずかしいかくれんぼをしている。
「話って何?」
気だるげな立ち振る舞いでサラに問う澄くんを、教卓にあいた小さな穴から覗く。
「単刀直入に、色葉のことなんだけど」
「ああ、うん。なんでもどうぞ」
スクバをすとんとおろして、椅子に座る澄くん。
その前で腕組みをするサラは口を開いた。