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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第16章 好きは、マジック



夏休みの登校日を経て、新学期が始まった。


久しぶりの澄くんの姿に心臓が高鳴ってしまう。


……目が合うことは、やっぱりないけど。


このまま縁が切れるのかな。



悩み、緊張、胸の高鳴り、恋って体に悪い。


何が起こるわけでもなく、昼休みを迎えた。




生徒たちが昼食をとりながら談笑を続ける教室で、食べ終わったお弁当箱を仕舞っていると



机に人影がさして、ミナとサラと同時に顔を上げた。

「……っ」


驚きに目を見開いてしまう。



「……色葉」


ただでさえ注目を浴びやすい澄くんがあたしの目の前で、下の名前をはっきりと呼んだ。


「え」



ざわっと教室の空気が動いた気がする。



視線の的となっているにもかかわらず、澄くんは口を開いた。



「ちょっと話があるんだけど……一緒に来て」


薄茶色の目があたしを見下ろして、片手をとると、


「ちょ……え?」


サラとミナを振り返ると緊張気味なガッツポーズを小さく向けられた。


そのエールに頷いて返す。


澄くんはあたしの手を引き、凝視されながら生徒の合間を縫って、廊下へと歩を進めていった。


廊下に出た瞬間、後ろから「っ……えぇええええ!?」と絶叫に似たクラスメイト達の声がして、廊下まで響いている。

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