放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第16章 好きは、マジック
◇
夏休みの登校日を経て、新学期が始まった。
久しぶりの澄くんの姿に心臓が高鳴ってしまう。
……目が合うことは、やっぱりないけど。
このまま縁が切れるのかな。
悩み、緊張、胸の高鳴り、恋って体に悪い。
何が起こるわけでもなく、昼休みを迎えた。
生徒たちが昼食をとりながら談笑を続ける教室で、食べ終わったお弁当箱を仕舞っていると
机に人影がさして、ミナとサラと同時に顔を上げた。
「……っ」
驚きに目を見開いてしまう。
「……色葉」
ただでさえ注目を浴びやすい澄くんがあたしの目の前で、下の名前をはっきりと呼んだ。
「え」
ざわっと教室の空気が動いた気がする。
視線の的となっているにもかかわらず、澄くんは口を開いた。
「ちょっと話があるんだけど……一緒に来て」
薄茶色の目があたしを見下ろして、片手をとると、
「ちょ……え?」
サラとミナを振り返ると緊張気味なガッツポーズを小さく向けられた。
そのエールに頷いて返す。
澄くんはあたしの手を引き、凝視されながら生徒の合間を縫って、廊下へと歩を進めていった。
廊下に出た瞬間、後ろから「っ……えぇええええ!?」と絶叫に似たクラスメイト達の声がして、廊下まで響いている。
夏休みの登校日を経て、新学期が始まった。
久しぶりの澄くんの姿に心臓が高鳴ってしまう。
……目が合うことは、やっぱりないけど。
このまま縁が切れるのかな。
悩み、緊張、胸の高鳴り、恋って体に悪い。
何が起こるわけでもなく、昼休みを迎えた。
生徒たちが昼食をとりながら談笑を続ける教室で、食べ終わったお弁当箱を仕舞っていると
机に人影がさして、ミナとサラと同時に顔を上げた。
「……っ」
驚きに目を見開いてしまう。
「……色葉」
ただでさえ注目を浴びやすい澄くんがあたしの目の前で、下の名前をはっきりと呼んだ。
「え」
ざわっと教室の空気が動いた気がする。
視線の的となっているにもかかわらず、澄くんは口を開いた。
「ちょっと話があるんだけど……一緒に来て」
薄茶色の目があたしを見下ろして、片手をとると、
「ちょ……え?」
サラとミナを振り返ると緊張気味なガッツポーズを小さく向けられた。
そのエールに頷いて返す。
澄くんはあたしの手を引き、凝視されながら生徒の合間を縫って、廊下へと歩を進めていった。
廊下に出た瞬間、後ろから「っ……えぇええええ!?」と絶叫に似たクラスメイト達の声がして、廊下まで響いている。