放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第16章 好きは、マジック
「あたしの好きは情じゃないよ。本当に好きだもん」
「……うん」
「ほら信じてない……」
「あ……じゃあ下駄箱に絆創膏入れてくれたのってもしかしてサラさんじゃなくて色葉?」
「うん……サラはね、靴隠そうかって言ってた」
「……まじかよ」
くつくつと肩を揺らして笑う澄くんにつられて笑いながらも段ボールをあける手を動かす。
穏やかな空気の中であたしたちは、喧嘩みたいな小言ばかり交わしている。
「澄くんは頭いいけど、あたしの気持ちを知識で勝手に決めないでほしい」
「知識っていうか、本当にそうなんだって。情が入るってのは一般論」
「だから一般論に入れないでよ。あたしはあたし。もう……嘘発見器ないよ」
「だいたい嘘発見器ってジャンルが手品じゃないだろ」
隣にしゃがんであたしの腕を止めた澄くんは
「ねぇ……色葉、別の手品みせてもいい?」
軽く小首をかしげる。
薄茶色の目に映るあたしの頬が赤く染まった気がした。
「……手品、できるの?」
「うん。夏休み中に兄貴に教えてもらった。兄貴が手品部だったって言ったよね? 兄貴史上一番ロマンチックでメルヘンなやつを聞いてきた」
「……うん」
「ほら信じてない……」
「あ……じゃあ下駄箱に絆創膏入れてくれたのってもしかしてサラさんじゃなくて色葉?」
「うん……サラはね、靴隠そうかって言ってた」
「……まじかよ」
くつくつと肩を揺らして笑う澄くんにつられて笑いながらも段ボールをあける手を動かす。
穏やかな空気の中であたしたちは、喧嘩みたいな小言ばかり交わしている。
「澄くんは頭いいけど、あたしの気持ちを知識で勝手に決めないでほしい」
「知識っていうか、本当にそうなんだって。情が入るってのは一般論」
「だから一般論に入れないでよ。あたしはあたし。もう……嘘発見器ないよ」
「だいたい嘘発見器ってジャンルが手品じゃないだろ」
隣にしゃがんであたしの腕を止めた澄くんは
「ねぇ……色葉、別の手品みせてもいい?」
軽く小首をかしげる。
薄茶色の目に映るあたしの頬が赤く染まった気がした。
「……手品、できるの?」
「うん。夏休み中に兄貴に教えてもらった。兄貴が手品部だったって言ったよね? 兄貴史上一番ロマンチックでメルヘンなやつを聞いてきた」