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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第16章 好きは、マジック

澄くんがひらりと見せたのは一枚のピンクの折り紙。


「これは、たねもしかけもない、ただの折り紙ね」


さしだされて受け取って、裏も表も確認するけど、本当に普通の折り紙だ。



「そこの裏庭に小さな池があるでしょ。あそこに浮かべてみて」


「うん?」



言われた通りあたしは、一人で浮かべに行く。


ちょっと寂しいんだけど。


っていうより、浮かべた後はどうするの?



その疑問が浮かんだ時には、
すでに池の水面に折り紙を置いてしまっていた。


後ろをきょろきょろ確認するけど、澄くんの姿はない。


「えぇ……」



手品ってこんなんだっけ?

どうするのこれ?


……もしかして、からかわれたのかな?


まさか部室を追い出されたのかな?



不安と混乱のさなか、ふと池の上に浮かぶ折り紙に視線を落として、思わず声が出てしまった。


「……っ、うそ……なにこれ」




さっきまで何もなかったはずの折り紙に文字が浮かんでいる。


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